優れたネーミングが社会にもたらす影響を可視化する、日本ネーミング大賞2025の受賞結果
商品やサービスの価値を端的に伝える 「ネーミング」 に光を当てるアワード 「日本ネーミング大賞2025」 の授賞式が、12月1日(日)に開催された。主催は、ネーミングの重要性を社会に広く発信することを目的に活動する一般社団法人 日本ネーミング協会で、今年で6回目を迎える。
749件のノミネートから大賞に選ばれたのは、花王株式会社の 「職場のロリエ」。職場における生理用品備蓄の取り組みをわかりやすく伝える名称として支持を集めた。
部門賞では、大関株式会社の 「One CUP」、アキレス株式会社の 「瞬足」、西日本旅客鉄道株式会社の 「ICOCA」、そして 「ほっかほっか亭」 など、長年親しまれてきた名称が並んだ。日常生活に自然と溶け込み、ブランドの価値を築いてきたネーミングが改めて評価された形だ。
また、若い発想を積極的に取り入れるルーキー部門では、古谷乳業株式会社の 「冬の入道雲」 「ミルクの束縛」、敷島製パン株式会社の 「和小麦」 が選出。地域に根付いた名称を称える地域ソウルブランド部門には、青柳総本家の 「Willowsウィロウズ」 をはじめ、名古屋の飲食文化を象徴する 「世界の山ちゃん」「矢場とん」、調味料の定番となった 「つけてみそかけてみそ」 が挙げられた。
さらに、長く文化に貢献した名称を称えるレジェンド賞として、「アイスノン」「シヤチハタ」「養命酒」 の3つが選ばれた。生活者にとって馴染み深い名前が、時代を超えてブランド価値を支えてきたことを示している。
ネーミングは、モノやコトが社会に存在するための羅針盤であり、文化の発展にも影響を与えるとされる。一方で、由来や開発プロセスが体系化されにくく、クリエイターの評価が十分に可視化されてこなかった背景もある。日本ネーミング大賞は、その価値を広く共有し、優れた名づけの文化を未来へつなぐ役割を目指している。
審査には、審査委員長の太田光氏をはじめ、言語学者やコピーライター、クリエイティブディレクターなど計28名が参加した。多角的な視点から“言葉が生み出す価値”を評価する仕組みが特徴である。
日本ネーミング大賞2025
主催:一般社団法人 日本ネーミング協会
審査委員長:太田光 (爆笑問題)
副審査委員長:黒川伊保子、岩永嘉弘
受賞一覧
https://j-naming-award.jp/award2025/
公式WEBサイト
https://j-naming-award.jp