測れなかった都市を 「正確に測る」 ための新基盤
国際航業株式会社 は2026年1月16日、新たなWebサービス 「高解像度オルソAPI」 の提供を開始した。本サービスは、地上解像度5cmという高精細な航空写真と、NTTインフラネット株式会社 が保有する 「高精度3D空間情報」 をAPI上で連携させた点に大きな特長がある。
一般的に都市部では、高層ビルが密集することでGPSなどの衛星測位に誤差が生じやすく、スマートフォンや簡易機器による測量が難しいとされてきた。今回の取り組みは、こうした 「都市では正確に測れない」 という前提を覆すものだ。
国際航業が提供するオルソ画像は、航空写真を地図と同じ真上視点に補正した 「写真地図」 である。建物の傾きや影によるズレを極力排除する独自手法により、写真上の位置と地図上の座標が一致する。そのため、道路の境界線や歩道、路面標示といった細部まで、直感的に理解できる視覚情報として活用できる。
この高精細な写真地図に、NTTインフラネットが整備してきたマンホールや道路境界などの正確な3D位置情報を重ねることで、都市空間の 「基準点」 が明確になる。例えば、スマートフォンのLiDAR機能で取得した点群データも、こうした基準情報をもとに補正することで、従来よりはるかに信頼性の高い測量データへと近づけることが可能になる。
その結果、測量や施工、維持管理の現場では、専門機材や大規模な事前準備を伴わずとも、現実空間を正確に把握できる環境が整う。BIM/CIMやGISと組み合わせれば、設計から施工、保守までのデータ整合性が高まり、作業の効率化と品質向上を同時に実現できるという。
また、防災やリスク評価の分野でも効果は大きい。災害時に 「どこで何が起きているのか」 を、精細な画像と正確な位置情報で即座に把握できることは、迅速な意思決定と復旧計画の精度向上につながる。本APIはクラウド基盤で提供されるため、利用者は必要なエリアのデータを必要な分だけ呼び出すことができる。これまでのように大容量データを自社で管理する負担はなく、既存システムへの組み込みも容易だ。専門家だけの技術だった高精度空間情報が、より多くの現場で 「使える技術」 へと変わりつつある。
高解像度オルソAPIが示すのは、単なる地図サービスの高度化ではない。写真と3Dデータが一体となることで、都市そのものが 「正確に理解できる対象」 へと変わっていく点に、本質的な価値がある。
まずは東京23区から提供が始まり、今後は全国の主要都市へと拡大していく予定だという。国際航業とNTTインフラネットが描くのは、空・地上・地下を横断する空間情報を社会インフラの共通基盤として活用する未来である。
都市を正しく測り、理解し、維持していく。そのための 「見えない基盤」 が、いま静かに整い始めている。
国際航業株式会社
https://www.kkc.co.jp/
NTTインフラネット株式会社
https://www.nttinf.co.jp/