アルプスの麓、静かな森で 「感じる」 時間を
合同会社G.I.Liberaは、イタリア・ピエモンテ州ビエッラ市の自然を体感する「森林浴・トレッキングパッケージ」の提供を開始した。企画を監修するのは、同社執行役員であり現地出身のスガイ・マッシミリアーノ。喧騒から離れたアルプスの麓に広がるこの地で、自然の気配に耳を澄ませ、五感を解き放つ新しい旅の形を提案する。
ビエッラは、イタリア北西部に位置する人口約4万人の小さな街である。観光地の喧騒とは無縁で、緑濃い山々と透き通る川の流れが静かに続く。その落ち着いた空気は、日本の「森林浴」の概念と深く響き合う。森を歩くことで、耳に届く鳥の声や木漏れ日の揺らぎ、土や草の匂いが心の奥まで沁み込み、身体の緊張がほどけていく。
この地を象徴する存在のひとつが、高級生地メーカー・エルメネジルド・ゼニアの創業家による自然保護区「Oasi Zegna(オアジ・ゼニア)」である。100平方キロメートルにおよぶこの広大な森は、生態系の保全や再植林を目的として整備されたもので、人と自然の共生を体現する場所として知られる。ゼニア家の理念“Green Mind”は、ここビエッラを起点に世界へと広がっている。
トレッキングルートのなかでも代表的なのが「グランデ・トラベルサタ・デル・ビエッレーゼ」。森の小径や山の尾根を抜けながら、遠くにアルプスの稜線を望む壮大なコースである。歩くごとに表情を変える景色は、ただのハイキングではなく、自分の呼吸と自然のリズムを重ねる瞑想のような時間を生む。道中に流れるチェルヴォ川の清流や滝の音は、心を落ち着かせるBGMのように響く。
ビエッラが古くから繊維の街として栄えた背景にも、この清らかな水の存在がある。山々に染み込んだ雪解け水が地中で磨かれ、ミネラルをたたえた柔らかな水となって地表に湧き出す。その水が、ウールの染色や仕上げに最適だったことから、高品質な生地産業が発展した。自然が人の営みを支え、人がまた自然を守るという循環が、今も静かに息づいている。
周囲にはモンテ・フェネーラやアルペ・オロパなど、手つかずの自然保護区も多く、絶滅危惧種の動植物が生息する。風に揺れる木々の音や、葉の擦れ合うささやきに耳を傾けていると、日常のざわめきが遠ざかっていく。ここでは、自然の中に身を置くことで、自分の内側に流れる静けさを取り戻すことができる。
合同会社G.I.Liberaは、こうした現地の文化や環境を尊重しながら、日本の旅行者に向けて新しい「感じる旅」を提案している。単なる観光ではなく、自然とともに過ごす時間そのものを目的としたこの体験は、心身をリセットする機会となるだろう。今後は、ビエッラのファッション、食、歴史などをテーマとした企画も順次展開予定である。
合同会社G.I.Libera
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