情報ではなく 「おいしい」 から始まる
会員制の宅配スーパーマーケットを展開している 「Table to Farm」 は、自然と人が豊かに循環する食文化を未来につなぐことを目的に、流通全体のわずか0.1%しか存在しないという自然本来の力から生まれる食品を 「素の味」 と定義し、会員の食卓へ届けている。
そしてこの度、 「Table to Farm」 の 「素の味」 の選定基準が改めて公開されたので、本稿にて紹介したい。
「Table to Farm」 で取り扱われる食材は、在来種の米や野菜、伝統的な天然醸造による発酵調味料、森の中で放牧される鶏や豚、季節ごとの山菜や木の子など、すべて自然の営みに根ざしたものだ。ラインナップは約11ヶ月をかけて検討され、各カテゴリー最大3つまでに厳選される。その背景には、単なるオーガニック志向とは一線を画す、独自の明確な選定基準がある。
Table to Farmの選定方針は 「とにかく食べる。必ず訪れる。」 という二つの言葉に集約される。情報や理論、「正しさ」 よりも、まずは 「おいしい」 という実感を起点にする。創業以来、毎週5~6時間に及ぶ試食を重ね、1つの商品を選ぶために20~30種類を取り寄せ、素材や産地、製法の違いを徹底的に食べ比べてきた。直感的な感動だけでなく、日常の中で食べ続けられるかという視点も重ね合わせ、好みを超えたおいしさを見極めていく。
試食と並行して行われるのが、生産背景を多角的に調べる時間である。自然環境や土地の歴史、栽培や製造の考え方を学び、自分たち自身の判断基準を深めていく。そして最終的には、生産者を実際に訪ね、対話を重ねる。繁忙期を避けて訪問の機会を待つことも含め、作り手との共感が生まれて初めて取り扱いが検討される。
「素の味」 の基準は、すべてが自然由来であることを前提としている。添加物や遺伝子組み換え素材を使用した商品は扱わない。原材料だけでなく、表示義務のない加工助剤やキャリーオーバー成分、添加物指定されていない 「食品」 と区分されるものに至るまで、生産者との直接の対話を通じて確認し、公開している。確認できない要素が残る商品は販売しないという姿勢も、この基準を支えている。
米や野菜、果物は自然栽培や有機栽培、卵は平飼い、肉は放牧、魚は天然に限定される。調味料や加工品も、天然醸造や未精製、圧搾法といった製法を条件とし、自然の力を引き出す知恵が重ねられている。こうした基準は固定されたものではなく、旅と対話を重ねる中で、生産者の新たな挑戦や時代の変化に応じて更新され続けていく。
荒生勘四郎農場の在来種米 「亀の尾」、池松自然農園の自家採種による在来野菜、やまあい村の森で育つ放牧豚、藤原みそこうじ店の野生麹菌による味噌など、Table to Farm が選ぶ商品はいずれも土地の風土と深く結びつき、人の手と自然の関係性が味として立ち上がっている。
Table to Farmは、会員制のオンラインスーパーマーケットとして、食べる人が単なる消費者にとどまらず、生産の現場を知り、リスクを分かち合い、時に協働する Community Supported Foodculture (CSF) の構築を目指している。入会金や 「素の味」 協力金は、生産者との共同プロジェクトや支援活動、災害時の補填などに活用され、未来の 「素の味」 を共に育てる循環を支えている。
さらに詳しく知りたい方は、公式サイトを訪れてみてほしい。
亀の尾発祥地である山形県で自然栽培に取り組む荒生勘四郎農場。江戸時代の中打ち八へん農法をはじめとする自然農法を研究・実践する農学博士が育てたお米は、旨味がしっかりと複雑で香りの豊かさが印象的な亀の尾の中でも、味のバランスが抜群で、ふわっとやさしい香りが特徴
自然豊かな福岡県糸島市で、農薬・化学肥料を使わず栽培した野菜。その多くは地元の在来種で、池松自然農園で育てた野菜から種を採り、翌年それを畑にまいて育てた 「自家採種」 による野菜。味や形が均一化された交配種とは違い、地域の気候や風土に長い間根差してきた在来種・固定種は、味にも形にも個性がある。化学肥料や農薬はもちろん、動物性の肥料も極力使わず、健やかな土の力を借りて育った野菜は、皮ごと食べても心配ない。
熊本県菊池市の山奥にある 「やまあい村」 で、放牧で育てられた 「走る豚」。通常の80倍の面積の山あいを駆け回り、泥にまみれて眠り、栗やどんぐり草木を食む 「走る豚」 は自由そのもの。クヌギや栗の木が茂る自然そのままの豊かな環境のなかで、豚とともに森や土壌が育まれる循環も生まれている。
「野生麹菌」 による無添加、非加熱の自然醸造の味噌。空気のきれいな鳥取県若桜町で野生麹菌は自然採取し、米は島根の在来種 「亀治」 の自然栽培大豆も無肥料・無農薬で育った同地域のもので味噌づくりをしている。
Table to Farm 公式サイト
https://tabletofarm.jp