CULTURE | 2025/04/28

新たな海の学びを提案
「海を見ているたくさんの目/聞こえてきた海」 をみなとラボが出版

根室市立おちいし義務教育学校と行ったプログラムの様子と成果を収録

FINDERS編集部

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これからの自然・海との共生のあり方を育むための教育プログラム 「Ocean Learning」 第一弾

「海と人とを学びでつなぐ」 をテーマに活動する 一般社団法人3710Lab(みなとラボ)は、写真家の津田直氏と協働し、海と人との共生に向きあうための新たな海洋教育のモデルを開発、根室市立おちいし義務教育学校と行ったプログラムの様子と成果を収録した書籍を日本財団の助成のもと制作した。

北海道のオホーツク沿岸から根室沿岸のフィールドワークや、幾度となく対話を重ねた先に目指したのは、かつてオホーツクに暮らしていた人々のまなざしに触れ、海と森のつながりを通じ、海と結ばれてきた関係性を辿り直すことだという。そこから 「教育」 として何が大事になるのかを再考し、海洋教育プログラム 「海を見ているたくさんの目/聞こえてきた海」 をつくり上げた。

根室市立おちいし義務教育学校5、6年生とともに、夏と冬の2回に渡り行なったプログラムの様子と子どもたちが取り組んだ成果を収録、他の地域でも取り組めるよう書籍としてまとめた。

本書の出版にあたり、みなとラボでは以下のようなコメントを発している。

本プログラムの根底にあるのは、自然・海の全体を感じることが、これからの自然・海との共生に向き合っていくときに大事であるという実感です。それは、オホーツク海と太平洋に突き出した半島である根室の自然環境を歩き、森と海を体験し、霧の存在に触れることで得られたものです。

私たちは、自然や海を学ぶときに、それらを言葉で持って部分に分けて学びます。しかし、その学びのあり方では、森や川、海、生物、人間のつながりを実感することが難しくなります。海を含む自然と人間が離れ過ぎてしまい、そのつながりが見えづらくなっている現状において、大事なのは、そのつながり全体を感じられることではないかと考えました。

本書には、この状況を乗り越えていくために、 人類が自然・海とどのような関わりをしてきたのか、その源流にまで遡り、その地点からこれからの自然・海との共生のあり方を探った過程がおさめられています。

この書籍が、これからの時代の教育、ひいては未来のため大事なことを見つめるきっかけになればと願っています。ぜひ、お手に取ってお楽しみください。


海を見ているたくさんの目/聞こえてきた海
企画・監修・執筆|田口康大(みなとラボ)、津田 直
写真|津田 直、小倉快子、2024年度おちいし義務教育学校5、6年生
編集|小倉快子
授業講師|外山雅大(根室市歴史と自然の資料館)
企画協力|東さおり(写真家アシスタント)、おちいし義務教育学校、根室市教育委員会
デザイン|前田 景、大園早香
印刷|シナノ
サイズ|W210mm×H255mm/44ページ
本体| 1,650円(税込)
ISBN|978-4-9913001-4-1 C0437
発行|みなとラボ出版(2024年3月24日)
助成|日本財団

みなとラボウェブストア
https://3710lab.stores.jp/

3710Lab (みなとラボ)
2015年、海洋教育の実践的なプログラムを開発・実施・提供するプラットフォームとして設立。海洋や教育、デザインなどの専門家と協働し、海洋教育とデザインを融合した実践的なプログラムを実施。環境問題や社会課題、地域のコミュニティ課題に向きあっている。代表理事:田口康大/兼任東京大学大学院教育学研究科附属海洋教育センター特任講師
https://3710lab.com
https://www.instagram.com/3710lab