「聴こえているのに解けない」 体験を通じて、耳の変化を見過ごさない意識を促す
オーディオテクニカ が展開する聴こえをサポートするブランド 「audio-technica MIMIO」 が、3月3日の 「耳の日」 にあわせて実施した体験型プロジェクト 「聴難問チャレンジ」 の最終結果を公開した。累計約1.46万人が挑戦したものの、正解者はわずか7人。最終正答率は0.05%だった。
3月30日に特設サイトで公開されたのは、問題の正解だけではない。なぜあえて 「解けない謎」 を提示したのか、その背景や企画の意図もあわせて明かされている。
この企画が目を向けたのは、聴こえの変化が自覚されにくく、違和感があっても対処につながりにくいという現実だ。日常のなかで人は多くの音を無意識に聴き流しており、 「自分は問題なく聴こえている」 という思い込みも、変化への気づきを鈍らせる一因になっているという。
そこで 「聴難問チャレンジ」 では、謎解きというエンターテインメントの形式を用いながら、何度も音を聴き返したくなる難度に設定した。参加者が 「聴こえているのに解けない」 と感じたとき、聴き逃している音を確かめるように自然と耳を澄ませる。その体験自体を通じて、自分の聴覚に意識を向けてもらう狙いがあった。
実際にSNSでは、 「風が気持ちよく抜ける自然豊かな場所をマラソンしてる時の音に感じた」 、 「動物みたいな鳴き声も聞こえるし、電車みたいな音もする」 、 「モールス信号に聞こえる」 といった投稿が広がり、多様な空耳考察が続出した。正解にたどり着けなかったとしても、耳を澄ませ、聴こえ方を言葉にし、他者と共有するプロセスそのものが企画の核だったといえる。
今回の取り組みにあわせて実施された調査では、もうひとつの課題も浮かび上がった。10代から30代の男女467人を対象にしたインターネット調査によると、相手の声や音が聴こえづらいと感じた際に、自身の耳の衰えを疑うと答えた人は12%にとどまった。一方で、自身の聴力に違和感を持ったことがある人は44.3%にのぼる。しかし、そのうち病院などの専門機関を受診した人はおよそ半数にとどまり、多くの人が変化を自覚しながらも適切な対処に至っていない実態が示された。
さらに、視力と聴力のどちらが低下した場合により危機感を抱いて受診するかを尋ねたところ、視力と答えた人は45.1%、聴力と答えた人は28.4%だった。 「聴こえ」 は日常生活に深く関わる感覚でありながら、視力ほどには不調として認識されにくい。MIMIOが提示したのは、まさにそうした 「聴力スルー問題」 だった。
特設サイトでは、問題の技術的な仕組みも公開されている。設問は三つの異なる 「聴こえ」 のテーマで構成されており、最初の段階では80Hzの低音と12kHzの高音を聴き分けることで二進数のコードを導き出す。次に、ニュージーランド・テカポ湖を再現した環境音のなかに隠された大小二種類の鐘の音から数字の並びを読み解く。そして最後は、住所を読み上げる音声、逆再生された音声、カウントダウンする音声という三つの音声を分離して聴き取ることで、最終的な答えにたどり着く仕掛けとなっていた。
解けるかどうか以上に、この企画が問いかけたのは、自分の耳にどれだけ注意を向けているかということだ。 「 聴こえているつもり 」 を揺さぶる体験を通じて、見過ごされがちな耳の違和感を自分事として捉え直す。その入口として、謎解きという形式を選んだ意味は小さくない。
聴難問チャレンジ
実施ブランド: 「audio-technica MIMIO」
挑戦者数:累計約1.46万人
正解者数:7人
最終正答率:0.05%
調査会社:株式会社ジャストシステム
調査期間:2026年3月24日(火)~3月26日(木)
調査方法:インターネット調査
有効回答数:467
特設サイト
https://audio-technica-mimio-chounanmon.com