深刻化する鳥獣被害とジビエ振興の意義
食系YouTuberなどが数多く所属し、インフルエンサー・クリエイターのマネジメントを手がける 株式会社Carry On の水産販売部は、地方創生を目的として販路に課題を抱える企業と連携し、所属YouTuberのオンラインストアを活用した商品販売を展開している。この度、株式会社イェーガーとタッグを組み、日本の食料自給率向上とフードロス防止を目的に 「ジビエ」 の販売を開始した。販売は Carry On の 「うお樹水産」 および Carry On 所属んのYouTuber 「出張料理人 ミツ」 のオンラインストアで行っている。

ジビエとは、食材となる野生鳥獣肉の総称である。近年、国内では 「シカ」 や 「イノシシ」 による農作物被害が深刻化しており、捕獲の推進とともに、これらを 「ジビエ」 として活用する動きが全国的に広がっている。「害獣」 とされてきた野生動物が、地域資源や豊かな食文化の一部として再評価されている。
令和4年度における野生鳥獣による農作物被害額は156億円にのぼり、その約7割が 「シカ」「イノシシ」 「サル」 によるものとされる。森林被害も全国で年間約5,000ha、東京ドーム約1,100個分に相当する規模に達している。こうした被害は営農意欲の低下や土壌流出、希少植物の食害など、農山漁村に深刻な影響を及ぼしている。
このような状況を受け、「ジビエ振興」 に向けた取り組みが増加している。ジビエ振興とは、被害防止のための野生鳥獣捕獲を進めるだけでなく、捕獲した鳥獣を地域資源として活用し、農山村の所得向上につなげる取り組みである。外食や小売、ペットフードなど幅広い用途への展開が期待されており、地産地消の傾向が強いジビエは食料自給率向上や環境負荷軽減にも資する。
令和5年度のジビエ利用量は2,729トンと、平成28年度比で2.1倍に増加しており、フードロス防止にも寄与している。
そこでCarry Onでは、「ジビエ振興」 の一環として、より多くの人にジビエを知ってもらうべく影響力のある 「出張料理人 ミツ」 のオンラインストアで販売を開始、ジビエの魅力を伝える動画も公開しており、消費者への認知拡大と販路拡大を同時に進めている。
またジビエは栄養価が高く、健康的な身体づくりに欠かせない成分を豊富に含む。ビタミンやミネラルが多様に含まれ、脂肪が少なく鉄分が多いことから、筋トレやダイエット、美肌効果にも期待できる。特にイノシシ肉は豚肉と比較して鉄分や亜鉛が豊富で、ビタミンB1、B2は約3倍の含有量を誇る。
野生動物による被害が増加する一方で、捕獲された鳥獣の約9割が廃棄されている現状がある。こうした命を無駄にせず、ジビエとして有効活用することは、フードロス削減と食料自給率向上につながる。Carry Onでは、今後も 「出張料理人 ミツ」 や 「うお樹水産」 のオンラインストアを通じてジビエの販路拡大を図り、地域経済や雇用の活性化にも貢献したいとしている。
ミツの出張物産展
https://mitsushop.official.ec/items/105643311
うお樹水産
https://uokisuisan.theshop.jp/
Carry On
https://carry0n.co.jp/