廃墟からはじまった温泉街再生、5年目は11会場・約70店舗に拡大
利根川の源流に位置する水上温泉街で、廃墟となった建物に光をともし直す試みが5年目を迎える。みなかみみらいマルシェ実行委員会は2026年9月19日(土)・20日(日)、群馬県みなかみ町の水上温泉街一帯で「みなかみみらいマルシェ2026」を開催する。会場はJR水上駅から道の駅水紀行館までの約1.5kmに広がる11か所で、過去最大となる約70店舗が出店する見込みだ。
このマルシェの前身は、2022年に始まった「廃墟再生マルシェ」である。1回目は「旧ひがき寮」に約1,300人、2回目は利根川沿いの「旧一葉亭エネルギーセンター」に約3,000人、3回目はまちなか4会場に約4,500人が訪れた。昨年は名称を「ミライ」へ改め、10会場・50店舗以上の規模へと育った。
高度成長期からバブル期にかけて「関東の奥座敷」として賑わった水上温泉は、個人旅行へのニーズの移行とともに大型旅館の廃墟化という課題を抱えてきた。壊すのではなく残しながら再生していくという発想が、回を重ねるごとにまちへ新しい店の灯りと人の流れを生み出している。
「余白」を舞台に、水場バーからドッグランまで広がる新企画
今年のコンセプトは「余白」である。使われていない空き地や店先の軒下、建物と建物のあいだの路地など、温泉街に残る「まだ何も決まっていない場所」を遊び場として捉え直し、来場者と一緒に使いこなしてみようという狙いだ。11の会場にはそれぞれ異なる再生のストーリーがあり、書店から生まれ変わったブックカフェ「Walk On Water」や、元従業員寮を文化拠点へ再生中の「旧ひがき寮」など、表情の異なる空間を巡り歩ける構成になっている。
新しい目玉企画となるのが、「Walk On Water」会場に設けられる「水場-WATER BAR-」だ。利根川源流のまちならではの水を飲み比べできるほか、同じ水で仕込んだクラフトビールやコーヒー、コーラも味わえる。「MIDORI SOW」付近には、犬と一緒に川遊びを楽しめる特設の水上ドッグランも初めて登場する。廃材や自然素材を生かしたアップサイクルのものづくりやクラフト体験も、廃墟再生の文脈に共感する出店者たちによって多数用意されている。
移動そのものを楽しむ仕掛けも整う。JR水上駅から道の駅水紀行館までを電気バスやシェアバイクでゆったりと巡る「スローモビリティ」が今年も運行するほか、温泉街中心部では初の一方通行化実験も行われる。日が落ちるころには、廃墟を舞台にした音楽ライブが5組の出演でパワーアップし、スマートフォンで会場を検索できるデジタルマップの本格導入も、Tripia株式会社との協働で進められる。
みなかみみらいマルシェ2026
日時:2026年9月19日(土)・20日(日) 11:00〜20:00
会場:水上温泉街(群馬県みなかみ町湯原地区周辺)、JR水上駅〜道の駅水紀行館 約1.5kmのエリア内11か所(Walk On Water、旧蒼海ホテル/湯原橋周辺、ジュラク旧ランドリー工場、旧ひがき寮、旧一葉亭正面玄関、matatabi横、OCTONE Brewing、鈴木家母屋、あらたし前、MIDORI SOW、道の駅水紀行館)
出店数:約70店舗(予定)
来場料:無料
主催:みなかみみらいマルシェ実行委員会
共催:みなかみ町、株式会社群馬銀行、株式会社オープンハウスグループ、東京大学大学院都市デザイン研究室
その他:小雨決行、荒天時中止
公式サイト
https://www.minakami-haikyo-saisei.com/