CULTURE | 2026/10/16

薬剤師が営む本とレコードの店、"あいだ"をひらく

ブックセラー・レコードショップ「ammel」が京都・西陣で実店舗をプレオープン
Architecture:mori design studio、Photo:余所 / RYO NAKATSUJI

FINDERS編集部

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2年間のオンラインとポップアップを経て、西陣に初の実店舗

薬剤師として働きながら、本とレコードを手渡す仕事を続けてきた店主が、ついに自分の店を構える。ブックセラー・レコードショップ「ammel(アンメル)」が、2026年10月11日(日)・12日(月・祝)・13日(火)の3日間、京都・西陣で実店舗をプレオープンする。

ammelはこれまで2年間、オンラインショップの運営と京都河原町近辺でのポップアップ出店を重ね、国内だけでなく海外にも広がるファン層を築いてきた。その経験を土台に、人と音楽と本のあいだをつなぐ空間として、初めての常設拠点を構えることになった。

西陣は、織りをはじめとする手仕事を生業とする人々が暮らしてきた職人の街であり、仕事とライフワークが分かれず日々の営みとして続いていく土地だ。新しい店も増え、近年あらためて注目を集めているエリアでもある。店を構える千本通り界隈は、平安京の中心軸・朱雀大路にあたる、京都の原点ともいえる通りである。別の仕事を持ちながら本とレコードを手渡す仕事をライフワークとして続けてきたammelの姿勢と重なる場所として、この地が選ばれた。

Architecture:mori design studio、Photo:余所 / RYO NAKATSUJI

デジタル時代に「あいだ」を見つめ直す、選書とレコード、そして店主の対話の経験

ammelが掲げるコンセプトは、「あいだ」をつなぐことだ。デジタルやAIの浸透によって人と人、人とカルチャーとのつながりが希薄になりつつある今、本と音楽、それぞれのあいだに生まれる余白や距離、気配を空間として手渡す。単なる購買では終わらない、「つながり」を取り戻す体験を提供しようとしている。

その象徴となるのが、運営開始以来続けてきた企画「lecteur < > liseur」である。ammelが取り扱うレコードを生み出した、今を生きる国内外のアーティストが本を選ぶという試みで、音をつくる人がどんな本を読み、何に触れているのかを選書から読み取ることができる。レコードと本のあいだを行き来する手がかりとして機能している企画だ。

店内に並ぶのは、新刊・古書を問わない海外のアートブックや写真集から、国内の小説、人文、哲学、絵本まで幅広いラインアップである。レコードは新たにリリースされた作品のみを扱い、実験音楽やアンビエント、ハウスを中心に、テクノやモダンクラシカル、オルタナティヴまで、流行にとらわれない選曲でそろえる。ハンドドリップコーヒーやアルコール類のスタンド・テイクアウトサービスも用意し、2階スペースはギャラリーやカフェとして順次開放していく予定だ。

店主は薬剤師として働きながらammelを営んでいる。「薬」を通じて人と向き合い、言葉を交わしてきた対話の経験は、本とレコードを手渡す場づくりにも生かされているという。プレオープン後は毎週日曜と不定期に営業を続け、詳しい日程は公式Instagramとオンラインショップサイトで随時更新する予定だ。デジタル上のつながりに慣れた日常から少し離れ、人と文化の「あいだ」に流れる時間を味わいたい人は、西陣の路地を訪ねてみてはいかがだろう。

Architecture:mori design studio、Photo:余所 / RYO NAKATSUJI
Architecture:mori design studio、Photo:余所 / RYO NAKATSUJI
Architecture:mori design studio、Photo:余所 / RYO NAKATSUJI

ammel(アンメル)
プレオープン:2026年10月11日(日)・12日(月・祝)・13日(火) 12:00〜20:00
所在地:〒602-8282 京都府京都市上京区西富仲町千本通り東入685-12
アクセス:京都市バス「千本中立売」停留所より徒歩3分
通常営業:毎週日曜・不定期営業(詳細は公式Instagram・オンラインショップサイトで更新)
設計:mori design studio

公式サイト
https://ammel-books.com