もうすぐ100年、小牧ダムを舞台にした4日間だけの旅
富山県西部を流れる庄川に、1930年に竣工した小牧ダムがある。当時は「東洋一のダム」と謳われ、以来水力発電所として電気を生み出し続け、庄川流域の風景そのものを形づくってきた存在だ。
関西電力株式会社と合同会社星庭は、このダムを舞台に、建築・食・音楽・工芸を通じて庄川流域の文化を体感するプログラム〈DAM IN 庄川〉を、2026年11月14日(土)・15日(日)・22日(日)・23日(月・祝)の4日間限定で実施する。インフラそのものを見学するだけでなく、その土地の暮らしや産業が水とどのようにつながってきたのかをひと続きの体験としてたどる「ローカル&インフラツーリズム」として企画された。
ダムや発電所を見るだけの観光ではなく、庄川の水が育んできた食文化、ものづくり、人々の営みまでを合わせて味わう構成だ。普段は目にすることのないダムの最上部や、通常とは異なる航路を進む遊覧船など、この期間だけ可能になる体験が用意されている点も見どころである。
音楽・茶会・ものづくり・食、4つの体験が庄川の水とつながる
プログラムは、SOUND CRUISE・THE WAY OF WATER・CRAFT WORKSHOP・RIVER DININGの4つで構成される。
SOUND CRUISE「庄川紅葉クルーズ」では、通常とは異なる特別航路の遊覧船に乗り、小牧ダムを水上から眺める。船内では、音楽家・糸山晃司がダムや発電所、川の音を録音して制作した音楽が流れ、庄川流域の木から作られたアロマの香りと、小牧ダムで貯蔵された日本酒(ノンアルコールドリンクも用意)が添えられる。
THE WAY OF WATERでは、ダムの最上部・天端に設けられた茶室で「水と山の茶会」が開かれる。庄川流域の湧水からはじまり、富山のガラス作家の器や庄川挽物の皿など地域の工芸とともに、山フーズ・小桧山聡子が手がける紅葉を映した菓子を味わう。
CRAFT WORKSHOPでは、高岡の銅器着色や砺波の組み木細工など、地域のつくり手から直接技術を学ぶものづくり体験ができる。そして、建築家・吉田甫が設計した仮設の空間「RIVER DINING」では、富山の料理人・濱多雄太が庄川流域の食材から仕立てた料理を、ダムを間近に望みながら味わう。
関西電力と星庭が仕掛ける実証実験、インフラ観光の新しいかたち
本プロジェクトは、関西電力の土木建築部門が実施する共創イノベーションプログラム「KANDEN DOKEN SOCIAL-DRIVEN」で、星庭が共創パートナーとして採択されたことから始まった。長年インフラに関わってきた関西電力の知見と、各地で地域の企画・デザインを手がけてきた星庭の視点を掛け合わせ、小牧ダムを舞台にした実証実験へと発展した経緯がある。
今回の開催は、2027年度以降の継続的な事業化に向けた検証として位置づけられており、将来的には他地域のダムや発電所への展開も視野に入れているという。
プランは、ランチを楽しむ「DAM IN -DAY-」(11月14日・15日、29,700円)、ライトアップされたダムでディナーを味わう「DAM IN -EVENING-」(11月22日・23日、38,500円)、庄川流域の住民を対象にした「DAM IN -LOCAL-」(4日間、3,300円)の3種類が用意される。いずれも定員制で、会場に駐車場がないため新高岡駅や砺波市内からの送迎バスを利用する仕組みだ。申込みは2026年10月中旬から公式サイトで受け付ける予定である。
インフラとしてのダムを、暮らしや文化とつながる風景として見直す機会になる。普段とは違う視点で地域を知りたい人にとって、この4日間だけの体験は記憶に残る旅になるはずだ。
DAM IN 庄川
開催日:2026年11月14日(土)・15日(日)・22日(日)・23日(月・祝)
会場:小牧ダム(富山県砺波市・庄川流域)
参加費:DAM IN -DAY- 29,700円(税込)/DAM IN -EVENING- 38,500円(税込)/DAM IN -LOCAL- 3,300円(税込)/オプション POWER HOUSE 2,200円(税込)
定員:DAY・EVENINGは各回20名、LOCALは各回10名程度
対象:DAM IN -LOCAL-のみ庄川流域にお住まいの方が対象
アクセス:新高岡駅・砺波市内から送迎バスを運行(ダムに駐車場がないため自家用車での来場は不可。LOCALプランの一部日程は小牧発電所駐車場に自家用車で来場可)
申込開始:2026年10月中旬予定(公式サイトより告知)
主催:関西電力株式会社、合同会社星庭
公式サイト
https://local-in.info/