EVENT | 2026/10/16

1日5時間27分。子どもの 「画面漬け」 にロート製薬が出した答えは、新幹線だった。

目の愛護デーに合わせ、新大阪―東京間を走った親子限定の緑の特別車両

FINDERS編集部

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親子45人を乗せた新幹線が、座席ごと緑色に塗り替わった一日

10月10日の「目の愛護デー」に合わせ、新大阪駅から東京駅まで走る新幹線の一両が、座席からクッションまで緑一色に染め上げられた。仕掛けたのはロート製薬で、親子18組・45名を乗せた特別企画「“目のグリーン車”で行く親子旅」である。鉄道の「グリーン車」といえば上質な特別席を指す言葉だが、今回はその名を借りて、文字通り緑まみれの車両を走らせるという洒落が効いている。

車内にはブロッコリーをかたどったクッションや、目にまつわるモチーフをあしらった背もたれカバーが並び、参加者には気分を盛り上げるオリジナルの法被まで用意された。出発に先立ち、ダイドードリンコと共同開発したウェルカムドリンクで乾杯するところから、この一風変わった旅は幕を開けた。

ロート製薬はこの企画を「世界初!?」とユーモラスに銘打っているが、類似企画の有無までは確認できていない。それでも、日常の移動時間を“アイケア時間”に変えるという発想自体は、単なる話題作りにとどまらない狙いを感じさせる。

車窓を見つめ、弁当を味わう。移動時間を「アイケア時間」に変える仕掛け

京都駅を出発した後には、車内で「高速車窓でみーつけた!」と題した参加型企画が始まった。沿線の建物の色や看板の文字などを題材にしたクイズ冊子が配られ、親子は車窓を流れる景色に目を凝らしながら問題に挑戦した。クイズの前には、アイマスクを着けて目を休める「目の“ととのえタイム”」も設けられ、スマートフォンやタブレットに向きがちな視線を、あえて遠くの景色へと誘導する構成になっている。

車窓企画の後には、フードクリエイターの岩見祐子氏が手がけた「目の愛護おべんとう」が振る舞われた。鯖やほうれん草など、目の健康に関わるとされる食材を使った彩り豊かな弁当を味わいながら、親子で食と目の健康について話す時間が生まれた。

参加した親子からは「普段あまり見ない車窓からの景色に目を向けるきっかけになった」「これをきっかけに家庭でも目に気を使いたい」といった声が寄せられたという。移動という日常の一コマに小さな気づきを持ち帰ってもらう設計は、体験を通じて健康意識を伝える手法として参考になる。

目にもおいしい!? 旬の食材を取り入れた「目の愛護おべんとう」を提供

背景にあるのは、1日5時間27分という子どもの「画面漬け」の実態

この企画の背景には、子どもたちとデジタル機器の距離の近さがある。こども家庭庁の令和7年度調査によると、10〜17歳のインターネット利用率は99.0%に達し、1日あたりの平均利用時間は約5時間27分に及ぶ。

ロート製薬が太陽生命少子高齢社会研究所と共同で、未就学児・小学生の子を持つ親1,500名に実施した調査でも、「画面に近づいて見る」子どもが各学齢で約3割、長時間の使用や姿勢の悪さは高学年ほど目立つ傾向が見えてきた。一方で、画面との距離を意識したり利用時間を制限したりと、何らかの対策をしている親は78.7%にのぼる。ただし、同社はこの調査結果が視力低下や近視との因果関係を示すものではないと注記しており、あくまで親の認識に基づく傾向として受け止める必要がある。

10月10日の「目の愛護デー」は、1931年に失明予防を目的として定められた「視力保存デー」を起源とし、現在は厚生労働省の主催で全国的に目の健康を啓発する日となっている。普段の移動時間を使って、親子で画面から目を離し、景色や食を通じて目の健康を考える——そんな小さなきっかけづくりとして、この企画の狙いを捉えることができる。子どもの生活習慣と向き合うヒントを探している人にとっても、知っておきたい事例である。


目の愛護デー特別企画「“目のグリーン車”で行く親子旅」
実施日:2026年10月10日(土)
運行区間:新大阪駅発 → 東京駅着
参加者:親子18組・45名
実施内容:オープニング・乾杯/車窓を活用した参加型企画「高速車窓でみーつけた!」/「目の愛護おべんとう」の提供など

ロート製薬株式会社 
https://www.rohto.co.jp/