最新のヒット曲から往年の名曲まで、DJがその場で流す予測不能な楽曲に合わせ、ダンサーが即興で踊る1on1ダンスバトル 「Red Bull Dance Your Style National Final Japan」 が、7月5日(日)、六本木ヒルズアリーナで開催された。
勝敗を決めるのは審査員ではなく、会場に集まった観客である。今年は1400人以上の観衆が来場。Red Bull Dance Your Styleとして日本で初めて一般ダンサーを募集した予選を実施し、そこを勝ち上がった4名と、WILD CARDとして招待された日本トップレベルのダンサー12名、計16名が日本代表の座をかけて激突した。
観客の歓声が勝敗を決める、予測不能の即興バトル
Red Bull Dance Your Styleの面白さは、単にダンススキルを競うだけではない点にある。ヒップホップ、ハウス、ロッキング、ポッピングなど、それぞれ異なるバックグラウンドを持つダンサーたちは、当日まで何が流れるかわからない楽曲に瞬時に反応し、リズム、歌詞、空気、そして観客の反応を読みながらフロアを支配していく。
会場では、アニメ主題歌として話題となったアイナ・ジ・エンドの『革命道中』、近年のシティポップ再評価の流れの中で再び注目を集める泰葉の『フライディ・チャイナタウン』、SNSでダンス動画が話題となったサカナクションの『夜の踊り子』など、世代もジャンルも横断する楽曲が次々とプレイされた。
音楽が切り替わるたびに会場の空気も変わる。録音された当日の音声からも、MCのコールに呼応する歓声、楽曲のイントロが鳴った瞬間に起きるどよめき、ムーブの決めどころで一気に膨らむ拍手が伝わってくる。Red Bull Dance Your Styleは、ダンサーだけでなく観客もまた勝敗をつくる“参加型”のライブイベントなのだ。
一般予選から勝ち上がったRingo Winbeeが、ターザンKIRARAとの激戦を制す
決勝に進んだのは、一般予選を勝ち上がった Ringo Winbee と、幼少期からダンスに打ち込み、数々の大会で結果を残してきた ターザンKIRARA だった。
先攻のRingo Winbeeは、歌詞やリズムを細かく拾いながら、音楽そのものを身体で翻訳するようなリズミカルなダンスを披露。対するターザンKIRARAも、持ち味である力強くダイナミックなムーブで応戦し、決勝にふさわしい接戦となった。
観客の視線、歓声、拍手が一つひとつのムーブに反応し、会場全体がジャッジの場となる。その熱気の中で、最も多くの支持を集めたのはRingo Winbeeだった。4度目の挑戦で日本王者となったRingo Winbeeは、10月にスイス・チューリッヒで開催される「Red Bull Dance Your Style World Pre Final」への出場権を獲得。ここを勝ち上がれば、世界大会「Red Bull Dance Your Style World Final」への道が開かれる。
優勝後、Ringo Winbeeは「Red Bull Dance Your Styleにかけてきた想いが強かったからこそ、とても嬉しい」と語った。日本優勝と世界一を目指し、苦手な曲やジャンルも克服するため、さまざまな音楽を「愛せるぐらい聞きまくった」という。
「決勝はここで死んでもいいやという気持ちで踊りました。その熱量で自分の中の殻をやぶれたかなと思います」
そう振り返ったRingo Winbeeは、世界大会に向けても強い決意を示した。
「何者でもない自分が世界で優勝して人生を変えられるように、世界大会に向けて全てをかけて挑みたいと思います。日本代表として、皆さんの応援も背負って絶対優勝してきます!」
RIKI、TAKERUも参戦。THE D SoraKiらによる豪華エキシビションも
本戦には、実力派ダンスボーイズグループ BALLISTIK BOYZ from EXILE TRIBE の RIKI (松井利樹) と、8人組ボーイズグループ ONE OR EIGHT の TAKERU も参戦した。両者は惜しくも1回戦敗退となったが、アクロバットを交えた迫力あるパフォーマンスで観客を沸かせ、強い存在感を残した。
また本戦前には、2022年の「Red Bull Dance Your Style World Final」で日本人として初めて世界王者となった THE D SoraKi と、世界大会20冠を誇る KAZANE のペアが登場。対するのは、ヒップホップ界のレジェンド SHINICHI と、ハウス界のスーパーダンサー HIRO のペアだ。
若きトップダンサーとレジェンドがぶつかる2on2のEXHIBITION BATTLEは、本戦前から会場のボルテージを一気に引き上げた。結果は、THE D SoraKi&KAZANEペアの勝利。世代やジャンルを超えたハイレベルな応酬が、Red Bull Dance Your Styleというイベントの懐の深さを改めて印象づけた。
“観客を動かす力”が、世界への切符になる
Red Bull Dance Your Styleがユニークなのは、評価軸が技術の正確さだけではないことだ。もちろん、リズム、スキル、クリエイティブ性、カリスマ性は重要である。しかし最終的に問われるのは、目の前の観客をどれだけ惹き込み、その一票を勝ち取れるかである。
つまり、この大会で勝つためには、音楽を聴く力、瞬時に反応する力、自分のスタイルを貫く力、そして空間全体を味方につける力が必要になる。Ringo Winbeeの優勝は、まさにその総合力が観客に届いた結果だった。
六本木ヒルズアリーナを沸かせたRingo Winbeeの次なる舞台は、スイス・チューリッヒ。4度目の挑戦でつかんだ日本王者の座を、世界への入口に変えられるか。観客の歓声を背負った新たな挑戦が、ここから始まる。
Red Bull Dance Your Style National Final Japan
https://www.redbull.com/jp-ja/events/dance-your-style-jp