扉を閉めた客室が、「性」について語り合う場になる
ラブホテルの一室に足を踏み入れると、そこには恋人同士の時間ではなく、初対面の参加者同士が「性」について語り合う対話の場が広がっている。平成住宅株式会社が運営する池袋「ホテル 艶(EN)」で、2026年10月18日(日)、第2回「池袋ラブホ会議」が開催される。
第1回は2025年9月、6つの客室・定員30名という規模で開催された。募集開始後すぐに定員に達し、東京新聞での掲載や、中小企業庁後援「あとむすAWARD 2026」でのサステナブル賞受賞、ツギノジダイやYahoo!ニュースといったWebメディアでの紹介につながった。
第2回はその実績を踏まえ、現在12室の企画が決定しており、規模を拡大して開催される予定である。閉ざされた空間だからこそ話せることがある――そんな発想から生まれた本イベントは、性教育やフェムケア、男性学、ラブホテル文化といった専門家を各客室に迎え、参加者と少人数で対話する体験型企画として設計されている。
「知る・学ぶ」「未来を考える」「楽しむ」——12の客室でテーマは多彩に
今回の企画は、「知る・学ぶ」「未来を考える」「楽しむ」という3つの視点で構成される。参加者は気になる客室を選び、専門家の話を一方的に聞くのではなく、少人数だからこその近い距離感で自ら問いを投げかけ、対話に加わることができる。
ラインナップは幅広い。セックスレスについて本音で語り合う座談会や、女性AV脚本家によるオリジナルストーリー制作ワークショップ、男性学研究者と考える「男らしさ」の話、ピンク落語家が案内する部屋などがそろう。女性限定の部屋では、生理や更年期、女性用風俗といったテーマも扱われ、株式会社TENGAが協力する部屋では、同社のアイテムを手がかりに性のコミュニケーションを考える企画も用意されている。
第1回に登場したファシリテーターの多くが今回も再登板する点も特徴だ。「面白がる会」主催の唐品知浩氏や、「お茶の間性教育」主宰のさとうゆきえ氏、「ラブホテラー」内野未唯氏らが、それぞれの視点から場をつくる。
イベント全体をプロデュースするのは、池袋を拠点に空間デザインやまちづくりに携わる日神山晃一氏である。有限会社日神山内装、株式会社シーナタウンの代表取締役を務め、豊島区の空き家店舗支援事業のコーディネーターとしても活動する日神山氏は、「性」を扱う場所であるがゆえに、まちづくりの議論からラブホテルが取り残されがちだったと語る。
日神山氏は「すぐに答えの出ないテーマにも皆で向き合い、対話することで、ラブホテルの未来、そして街や社会の新しい可能性が見えてくるのではないか」と話す。日本ではまだ、性教育や身体の悩み、パートナーとのコミュニケーションについて安心して話せる場は多くない。一方でラブホテルには、誰にも邪魔されないプライベートな空間という特徴がある。その特性を隠すためではなく語るために使うという発想が、このイベントの軸になっている。
有限会社日神山内装 代表取締役/株式会社シーナタウン 代表取締役
筑波大学芸術専門学群建築デザイン科卒業 株式会社船場・株式会社丹青社等、店舗設計企画会社を経て池袋を拠点に飲食店・美容室・物販店舗等の設計・施工を手掛ける。 日本工学院専門学校インテリアデザイン科講師
社会課題としての「性」だけでなく、独特の内装や歴史、文化といったラブホテルそのものの面白さに触れられる点も見逃せない。まじめな対話とくだらない笑いが同じ空間に同居する構成は、性というテーマを重くしすぎず、軽視もしない独自のバランス感覚を持つ。参加費は一般3,000円(学生1,000円、カップル割あり)で、気になるテーマの客室を選んで申し込む形式だ。10月18日の午後、池袋の一室で交わされる対話に加わってみるのも一興だろう。
第2回「池袋ラブホ会議」
開催日:2026年10月18日(日)
時間:16:00〜19:00(終了後アフターパーティー予定)
会場:ホテル 艶(EN)
所在地:東京都豊島区池袋2-14-14
参加人数:約60名予定
参加費:一般3,000円(学生1,000円、一般カップル割あり1,000円引き)
内容:客室を活用したトークセッション・体験型企画等
主催:平成住宅株式会社
参加申込みフォーム
https://lovehotelkaigi2.peatix.com
Instagram
https://www.instagram.com/ikebukuro.lovehokaigih/