BUSINESS | 2026/10/15

毎日見ている山に、まだ会ったことがない。愛媛・内子町に「森の入り口」が創刊

内子町発の林業カルチャー誌『ヘイヘイ報』創刊、タブロイド8ページ・8,000部を無料配布

FINDERS編集部

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町の77%が森、働く人は3,000人に1人。愛媛県内子町が無料の林業カルチャー誌を創刊した

町の面積の77%が森であるにもかかわらず、そこで働く人は日本人のおよそ3,000人に1人という希少な存在だ。見えているのに知らない、近いのに関わりがない——そうした山とまちの距離を縮めるため、愛媛県内子町は一冊の無料マガジンを立ち上げた。2026年10月8日の「木の日」、林業カルチャー誌『ヘイヘイ報(HEY HEY HOU)』の創刊号が発行された。

企画を手がけたのは、内子町を拠点に林業の魅力を伝える活動を続ける株式会社武田林業である。同社はこれまでイベントや体験の場を通じて山に触れる機会をつくってきたが、催しが終わればその山は再び「ながめるだけの風景」に戻ってしまうという課題を抱えていた。日常の中でふと手に取れる入り口をつくりたい——内子町が本紙を創刊した背景には、そうした思いがある。

タブロイド判・8ページ・フルカラーで、全8,000部が無料配布される。テーマは「ながめる山から、つきあう山へ。」であり、写真と読みものによって、山で働く人、内子の木でできたモノ、森をめぐるコトを伝える構成になっている。

森の仕事図鑑からぬりえコンテストまで、データと人の声で林業を「カルチャー」として描く誌面

誌面の核となるのは、データで林業を捉え直す「Forestry in Data ~データで知る林業~」のページである。全国の林業就業者は約4.4万人で、日本人のおよそ3,000人に1人という人数は、全国の獣医師(約4.0万人)とほぼ同じ規模だという。内子町の面積の約77%を占める森は大阪市(約225km²)とほぼ同じ広さにあたり、そのうち約68%が人工林、つまり人の手が入り続けている「人が植えた森」である。誌面にはスマートフォンの原寸サイズの枠が刷られ、日本の森と都市の広さの差を直感的に比較できる仕掛けも用意されている。

数字だけでなく、現場の空気を伝えるページも多い。「森の仕事図鑑」では林業にかかわる人を仕事と本人の言葉で紹介し、「DOBA TALK」では仕事を終えた林業人が集う町の食堂やスナックの様子を切り取る。百年育った内子杉の赤み材でつくる曲げわっぱ弁当箱の紹介や、10年目を迎えた林業学習型アウトドアイベント「ワンツーツリーフォレスト」(2日間で1,014人が来場、来場者の4割が18歳以下)のレポートも並び、森と暮らしの接点を多角的に描いている。

裏表紙には、チェーンソーを持つ林業人を描いた「ぬりえコンテスト」が設けられている。入賞作品は2027年発行予定の『ヘイヘイ報 vol.2』に掲載される予定で、応募締切は2027年3月31日(必着)だ。データと人の声、遊びの要素までを一冊に編み込んだこの誌面は、林業を「知らない産業」から「関わってみたい文化」へと引き寄せようとする試みである。普段は窓の外に流れていくだけの山の風景に、少しでも関心を向けたい読者にとって、手に取ってみる価値のある一冊だろう。


ヘイヘイ報(HEY HEY HOU) vol.1 創刊号
発行日:2026年10月8日(木)・木の日
仕様:タブロイド判・8ページ・フルカラー・無料(TAKE FREE)
発行部数:8,000部
企画:株式会社武田林業
編集:株式会社エス・ピー・シー
発行:内子町 農林振興課(ヘイヘイ報事務局)
ぬりえコンテスト応募締切:2027年3月31日(必着)  

武田林業
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