なぜ高知城なのか。経営者団体が選んだ"面白さ"という地方創生の手段
城郭に光が灯り、堀の向こうから現代的な音楽とダンスのビートが響く。そんな一夜が、2026年11月21日(土)、高知県高知市の高知城三ノ丸で生まれる。音楽とダンスを融合させた新しいフェス「KOCHI 城フェス 2026」が初めて開催されるのだ。主催するのは、次世代の起業家を育てることを目的とする一般社団法人高知イノベーションベース(KOIB)である。
KOIBの田内宏和実行委員長は、企業誘致や観光プロモーションといった従来型の地方創生策ではなく、あえて「面白いと思ってもらえるものをつくる」という発想を選んだ。高知にはすでによさこい祭りという地域に根づいた文化があるが、そこに新しい文化を重ねられないかと考えたとき、400年以上の歴史を持つ高知城という舞台に行き着いたという。
歴史ある城郭と現代カルチャーをあえてぶつけることで、高知が「歴史を守るだけの場所ではない」というメッセージを発信する狙いがある。出演者にとっても、普段とは異なる景観の中でパフォーマンスをする体験は特別なものになるはずだ。
小学生から大人まで、昼は挑戦の舞台、夜は熱狂のステージという二部構成
フェスは二部構成で行われる。第一部は開場12:30・開演13:00で、地元の小学生・中学生・高校生が出演するダンスコンテストだ。高知には多くのダンススクールがあり、日々練習を重ねる子どもたちがいるが、その実力を大きな舞台で披露する機会は限られているという。
審査には、プロダンスリーグ「D.LEAGUE」で活躍するCHANGE RAPTURESが参加する。子どもたちはプロのパフォーマンスに直接触れながら、次の目標を見つけられる場にもなる。
第二部は開場17:00・終演21:00の音楽イベントで、大人と若者が一緒に熱狂できる時間を目指す。日中の若々しいステージから、ライトアップされた高知城での非日常的な音楽体験へ。一日のうちに異なる二つの熱量を味わえる構成になっている。
経営者団体が大規模な音楽フェスを主催するのは珍しい取り組みだが、田内氏はそこに起業家精神としての意味を込めている。起業家精神とは会社をつくることだけでなく、自分が生まれ育った地域から未来を切り開こうとする挑戦そのものだという。高知を離れて都市部に出る若者は少なくないが、地元を嫌っているわけではなく、「地元に帰っても面白いことがない」と感じている人もいるのではないか、という見立てが企画の背景にある。
田内氏は、若者に挑戦を促す前に、自分たち自身がリスクを取って挑戦する姿を見せたかったと語る。目指すのは一度限りのイベントではなく、高知県や高知市、地元企業、周辺住民との連携を重ねながら、毎年高知城で開催し続けることで地域に根づく文化へと育てることだ。開催を重ねるごとに、企画や運営の中心を若者へ引き継いでいきたいという展望も語られている。
「ないなら、つくればいい。」田内氏が語るこの言葉には、誰かが与えてくれるのを待つのではなく、自分たちの手で生み出せるというメッセージが込められている。歴史ある高知城に現代のカルチャーが響く一夜に触れてみたい人は、11月21日の高知を訪ねてみてはいかがだろう。
KOCHI 城フェス 2026
日程:2026年11月21日(土)
会場:高知城 三ノ丸(高知県高知市)
第一部(ダンスコンテスト):開場12:30・開演13:00
第二部(音楽イベント):開場17:00・終演21:00
主催:一般社団法人高知イノベーションベース(KOIB)
企画制作:株式会社PIF、アゲハプロダクションズ
チケット購入
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公式サイト
https://kochi.shirofes.com