呼吸が波になり、電気になり、街の灯りになる——『RIPPLESCAPE』の仕組み
息を吹きかけるだけで、暗い床に広がる夜の海に波紋が立ち、やがて岸辺の灯りがともる——。波力発電という目には見えにくい技術を、呼吸という身体的な行為を通じて体感できる作品が、2026年10月29日(木)・30日(金)、中部電力株式会社 技術開発本部(愛知県名古屋市緑区大高町字北関山20-1)で開催される「テクノフェア2026」に登場する。作品名は『RIPPLESCAPE(リプルスケープ)』。研究とポップカルチャーの融合を掲げるAcademimic(東京都渋谷区)と、日建設計総合研究所(東京都千代田区)が共同で推進する「Ki Sci Iki(キサイイキ)」プロジェクトの第2弾として企画された作品である。
展示空間では、暗くした床に名古屋港付近の夜の海と海岸線が映し出される。鑑賞者が手前に設置されたマイクに息を吹きかけると、その呼気が波紋となって画面上に広がり、波紋が岸に届いた瞬間に街の灯りがともる仕組みだ。中部電力が研究を続ける波力発電は、波が運ぶエネルギーを電気へ変換する技術であり、本作はその一連の流れを「息→波→電気→街の灯り」という体験可能な物語に翻訳している。
難解な研究内容を、説明文ではなく一つの動作に落とし込んで提示する点が本作の特徴である。来場者は専門知識の有無にかかわらず、自らの呼吸が街を照らす灯りへとつながる感覚を、わずか数秒の間に味わうことができる。
研究所という“非公開の現場”を地域にひらく「Ki Sci Iki」の狙い
『RIPPLESCAPE』は、日建設計総合研究所とAcademimicが共同で推進する「Ki Sci Iki(キサイイキ)」プロジェクトの一環である。研究機関が持つ知見や視点をアートとして街にひらき、市民が日常の中で“研究の入り口”に触れる機会をつくることを目的としている。
2025年10月に展開された第1弾『オトシブミ - AIつむぐ落とし手紙 -』は、東北大学の研究から着想を得た作品で、仙台駅構内という人の行き交う場所を舞台にした。第2弾となる今回は、舞台を駅から研究所そのものへ移し、普段は一般の人が訪れる機会の少ない研究の現場を会場とする点が大きな違いである。研究が生まれる場所に足を運ぶこと自体が、ひとつの体験として設計されている。
制作体制は、企画・ディレクションをAcademimicが、制作を株式会社アラヤの研究発信組織「Visionary Lab」が、プロジェクト構想を日建設計総合研究所が担っている。会期は10月29日・30日の2日間、時間は午前9:15〜11:45、午後13:15〜16:15。会場はJR東海道本線「南大高」駅から徒歩7分の中部電力株式会社 技術開発本部である。
この2日間だけ、研究の現場で呼吸ひとつが波となり、電気となり、街の灯りとなる体験に立ち会える。技術の仕組みを説明として読むのではなく、身体で理解したい人は、会場に足を運んでみてはいかがだろう。
RIPPLESCAPE(リプルスケープ)(プロジェクト名:Ki Sci Iki(キサイイキ)第2弾)
会期:2026年10月29日(木)・30日(金)
時間:午前9:15〜11:45/午後13:15〜16:15
会場:中部電力株式会社 技術開発本部(愛知県名古屋市緑区大高町字北関山20-1)
アクセス:JR東海道本線「南大高」駅より徒歩7分
開催イベント:中部電力株式会社 技術開発本部「テクノフェア2026」
企画・ディレクション:Academimic
制作:Visionary Lab from 株式会社アラヤ
プロジェクト構想:日建設計総合研究所
日建設計総合研究所
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