温泉文化が無形文化遺産の国内候補に。次世代への継承を考える一日
温泉は、ただ体を温め疲れを癒やす場所ではない。古くから日本の暮らしに根付いてきた、受け継ぐべき文化でもある。群馬県は2026年11月17日(火)、利根郡みなかみ町の「みなかみ町カルチャーセンター」で「温泉文化カンファレンス」を開催する。参加費は無料で、温泉文化の価値を見つめ直し、次の世代へつなぐための一日となる。
開催の背景にあるのは、「温泉文化」が2025年11月にユネスコ無形文化遺産登録の国内候補に決定したという事実である。2030年の正式登録が見込まれており、文化、観光、地域づくりといった複数の視点からその価値を共有し、継承と発展、さらには温泉地域の活性化へつなげることが今回のカンファレンスの目的となっている。
当日は、元文化庁長官で「温泉文化」国民会議会長を務める青柳正規氏が、温泉文化の定義やユネスコ無形文化遺産登録に向けた取り組みについて基調講演を行う。続いて、「温泉文化」を広めるオピニオンリーダーとして、宇宙飛行士の野口聡一氏を新たにONSENアドバイザリーボードに任命する式典が行われる。野口氏は当日オンラインで出演する予定であり、宇宙から地球を見てきた人物が温泉文化の発信者に加わる点は、このカンファレンスならではの見どころといえる。
知事や写真家、温泉旅館経営者らが語る、自然・地域・水・雪と温泉文化の未来
分科会では、文化、観光、地域づくりの第一線に立つ登壇者が集う。「自然と地域が守る温泉文化」と題した分科会①には、群馬県知事の山本一太氏、青柳正規氏に加え、写真家・作家の石川直樹氏、温泉家で杏林大学地域総合研究所客員研究員の北出恭子氏が登壇する。自然と地域の関わりから、温泉文化の継承について語り合う。
続く分科会②「水と雪で発信する温泉文化の可能性」には、高崎商科大学特任教授の熊倉浩靖氏、一般社団法人みなかみ町観光協会代表理事で法師温泉長寿館代表の岡村建氏、一般社団法人雪国観光圏副代表理事で松之山温泉ひなの宿ちとせ代表の柳一成氏、鬼怒川パークホテルズ代表の小野真氏、トラベルジャーナリストで元・るるぶ編集長の小川由美子氏が登壇する。水や雪という地域資源を切り口に、温泉文化の新たな発信の可能性を探る分科会である。
プログラムは8時45分の受付開始から12時5分のクロージングスピーチまで、半日で温泉文化の過去と未来を見渡す構成になっている。参加は無料で、申込方法や会場へのアクセス、宿泊に関する情報は公式サイトで確認できる。温泉を日常の癒やしとしてだけでなく、次の世代へ手渡す文化として捉え直したい人にとって、知事や専門家の言葉に触れられるこの一日は興味深い機会となるだろう。
温泉文化カンファレンス
開催日時:2026年11月17日(火)
会場:みなかみ町カルチャーセンター
所在地:群馬県利根郡みなかみ町上牧1735
主催:群馬県
協力:「温泉文化」国民会議、温泉文化のユネスコ無形文化遺産登録を実現する会
後援:外務省、厚生労働省、環境省、文化庁、観光庁
参加費:無料
公式サイト
https://onsenculture-conference.pref.gunma.jp/