台湾貿易センターは、台湾の最新技術と製品を紹介する 「TAIWAN EXPO JAPAN 2026」 を、2026年7月15日(水)から17日(金)まで東京・新宿住友ビル 三角広場で開催した。
会場には台湾企業154社が集結。AIや半導体、スマートシティ、ヘルスケア、エネルギー、食品など、台湾の産業力を横断的に紹介し、3日間で延べ2万2616人が来場した。出展企業にもたらすビジネス効果は、1億5641万米ドルに達する見込みである。
台湾154社が新宿に集結、AIと半導体の技術を社会実装へ
今回のテーマはInnovate for Tomorrow。会場には、AIスマート製造、エネルギー・循環、スマートシティ、スマートヘルスケア、FOOD・LIFESTYLEという5つのテーマを軸に、8つのパビリオンが設けられた。
AIスマート製造パビリオンでは、台湾が世界的な競争力を持つ半導体技術や、AIを組み込んだ次世代の製造ソリューションを展示。製造ラインの自動化にとどまらず、ロボットが周囲を認識し、自ら判断して動く技術が紹介された。
スマートシティやエネルギー・循環のエリアでは、電動モビリティや蓄電、資源循環など、都市が抱える課題に対応する製品が並んだ。スマートヘルスケアの展示では、AIによる認知機能の予測やリハビリ支援、非接触で生体情報を測定する技術など、医療・介護現場での活用を想定したソリューションも披露された。
観光やグルメのイメージだけでは捉えきれない、台湾の産業と技術開発の現在地を体感できる展示会となった。
警備ロボットから認知症予測まで、暮らしに入り込む台湾テック
会場では、研究段階の技術ではなく、企業や都市、医療施設への導入を具体的に想定した製品が目立った。
達明ロボットのTECHMAN ROBOTは、画像認識技術とAIを組み合わせ、周囲を見て、考え、動く協働ロボットである。製造業だけでなく、さまざまなサービス分野への展開も視野に入れている。
鴻海科技集團は、タクシーや物流車両など多様な用途に対応する電動車両プラットフォームMODEL Aを展示した。広い車内と荷室に加え、AI翻訳機能やスマートバッテリーシステムを備え、次世代の都市交通を提案する。
樂齡智造科技のLTPA認知症AI予測&リハビリテーションは、認知トレーニング、モーションセンシング、AIによるデータ分析を組み合わせたシステムだ。高齢者の認知機能や身体機能の変化を継続的に分析し、一人ひとりに適したトレーニングを提供する。
創意點子數位のVitalGear AIは、カメラを使って複数の生体データを30秒以内に測定・分析する。ウェアラブル端末や専用センサーを必要とせず、映像や個人データを保存しない設計を採用しており、介護や在宅医療、家庭用機器などへの応用が期待されている。
AIを特別な技術として見せるのではなく、工場、移動、健康、暮らしの中へ自然に組み込む。今回の展示からは、台湾企業が持つ製品化と社会実装の速さが浮かび上がった。
世界をリードする協働ロボットメーカーである達明ロボットが開発した協働ロボット。当社独自の 「デュアルAIエンジン (Dual AI Engines)」 を通じて、AI協働ロボットとヒューマノイドを融合させ、産業界とサービス分野の境界を打破を目指している。
複合素材のみで構成した業界最軽量クラスの軽量設計を実現した高性能エアツール。手のひらサイズのコンパクトなボディに、高出力性能とメンテナンス性に優れたギアレス構造を採用している。高品質な研削ディスクを装備し、97°まで可動するヘッドと回転式スイッチにより、狭い場所でも快適かつ効率的な作業を可能にしている。
「VitalGear AI – Contactless Intelligent Physiological Sensing System」
AIによるリアルタイム解析により、複数の生体データを30秒以内で測定・分析できる非接触型スマートヘルスケアシステム。ウェアラブル端末やセンサー、消耗品を必要とせず、映像や個人データを保存しない「ゼロデータ」設計により、高いプライバシー保護を実現している。また、介護や在宅医療、スマートヘルスケア環境での活用に加え、スマートミラーやキオスク、家庭用カメラ、タブレットなど幅広いデバイスへの導入にも対応している。
「LTPA認知症AI予測&リハビリテーション」 は、脳の可塑性の原理に基づき、認知トレーニング機器、モーションセンシング技術、AIデータ分析プラットフォームを統合したシステム。「認知×運動×脳トレーニング」 のフレームワークを通じて、臨床的な知見に基づく非薬物療法を提供している。
SYSCOM Cubiは、企業専用のAIナレッジブレイン。 RAG技術とハイブリッドモデルアーキテクチャを採用し、散在する文書を追跡可能な知的資産へと転換する。オンプレミス運用と厳格な権限管理により、重要データの流出を防ぎつつ、セキュリティやハルシネーションのリスクを低減。
軽さと収納力のバランスに優れた、3輪の電動荷物用自転車 「minica」。街中での移動や買い出し、小規模の配達向けに設計されている。機能性と美しいデザイン、環境への優しさを兼ね備え、日常生活をより便利にする工夫が満載だ。
MODEL Aは、電動化とスマート化をコンセプトに開発された車両プラットフォーム。MPVやタクシー、物流車両など、多様な用途に対応できる高い拡張性を備えている。展示されたタクシーモデルは、広々とした車内空間と荷室に加え、AI翻訳機能やスマートバッテリーシステムを搭載し、快適性と利便性を兼ね備えた次世代の電動モビリティを提案している。
3日間の商談が生んだ1億5641万米ドル、日台共創は次の段階へ
TAIWAN EXPO JAPAN 2026は、一般来場者が技術を体験する展示会であると同時に、日台企業の協業を生み出すビジネスの場でもあった。
会期中には、大手商社やメーカーなどが参加する商談会が行われ、製造、ヘルスケア、エネルギーをはじめとする幅広い分野で、具体的な協業の検討が始まった。
AIスマート製造パビリオンに出展したAeolus Roboticsには、不動産会社やビルメンテナンス会社など約15社から、警備ロボットの導入を検討したいとの相談が寄せられたという。
初日にはオークラ東京で台日AIテクノロジーフォーラムも開催され、日台の企業や研究機関、業界団体など約350人が参加した。AIと半導体をめぐる国際競争が激しくなるなか、日本が強みを持つ半導体材料と、台湾が強みを持つ半導体製造を掛け合わせ、安定したサプライチェーンを構築する重要性が共有された。
TAIWAN EXPOは2017年以降、世界10カ国16都市で41回開催されてきた。今回の東京開催が示したのは、台湾の技術を紹介するだけの展示会から、日台双方が社会課題の解決策をつくる共創のプラットフォームへと、その役割が広がっていることである。
TAIWAN EXPO JAPAN 2026
テーマ:Innovate for Tomorrow
会期:2026年7月15日(水)~7月17日(金)
会場:新宿住友ビル 三角広場
主催:台湾経済部、台湾経済部国際貿易署
執行:台湾貿易センター
公式サイト
https://jp.twexpojapan.com/