世界三大映画祭で審査員を務めたジョニー・トーが、短編のために札幌へ
カンヌ国際映画祭、ヴェネチア国際映画祭、ベルリン国際映画祭という世界三大映画祭で幾度も審査員を務めてきた香港の巨匠ジョニー・トー(杜琪峯)が、10月23日から札幌で開幕する「第21回札幌国際短編映画祭」の国際審査員に名を連ねる。
合わせて国際審査員に決定したのは、最新作『敵』で第37回東京国際映画祭の東京グランプリ・最優秀監督賞・最優秀男優賞の三冠を達成した吉田大八監督と、釜山国際短編映画祭でアーティスティック・ディレクターを務めるイ・サンフン氏だ。3名は全員が会場に足を運び、授賞式にも登壇する予定である。
ジョニー・トーは1955年生まれ。香港・中華圏の映画市場に根ざしながら、アクションやクライムジャンルを中心に国際的にも高い評価を得てきた監督であり、多面的な作風を持ちながらも物語の緊張感と様式美を貫く姿勢で知られている。吉田大八は『桐島、部活やめるってよ』『紙の月』などの作品で知られ、『敵』では第18回アジア・フィルム・アワード最優秀監督賞、第80回毎日映画コンクール日本映画大賞も受賞した。イ・サンフンは2011年から釜山国際短編映画祭のプログラマーを務め、短編映画の国際的な選定・審査に長年携わってきた人物である。日本国内の作品を対象とする「最優秀国内作品賞」も、この3名の審査によって決定し、授賞式で発表される。
映画監督 香港│HONGKONG
香港を代表する映画監督・プロデューサーである。地元や中華圏の映画市場に深く根ざしながら、その作品は国際的にも広く高い評価を獲得してきた。数十年にわたるキャリアの中で、彼は多岐にわたる見事なフィルモグラフィーを築き上げてきたが、とりわけアクションやクライム・ジャンルにおける卓越した手腕で国際的にその名を知られている。これらの作品は熱狂的な支持層を生み出すとともに、世界の主要な映画祭でも高い評価を受けてきた。多様な作風やジャンルを自在に行き来するその姿は、しばしば「多面的」あるいは「カメレオンのよう」と評されるが、物語や劇的な緊張感、そして様式美あふれる映像構成に対する妥協なき姿勢において、一貫した監督としての個性を確立している。
世界94カ国、2,622作品から選ばれた96作品が札幌に集う
今年の映画祭には世界94の国と地域から2,622作品の応募があり、ここから28の国と地域、96作品がオフィシャルセレクションとして選定された。各部門賞は10月17日(土)にオンラインで発表され、グランプリなど主要賞の発表と授賞式は10月23日(金)16時からコンカリーニョで行われる。
プログラムの幅も広い。有村架純、オダギリジョー、安藤サクラ、柄本明らが出演する全6作品の特別プログラムには、松田美由紀の初監督作『カラノウツワ』(原田美枝子出演)や、久石譲の名曲とともに描く青春ショートフィルム『SUMMER』が並ぶ。日本初公開となる「ジャパン・プレミア・プログラム」では、人間関係の消費に疲れた現代人を描く日本・ラオス合作映画『虚空』など、世代や家族をめぐる4作品を上映する。
国内の新作12作品を集めた「ナショナル・プログラム」、子どもから大人まで楽しめる「ファミリー&チルドレン」、北海道にゆかりのある作品を紹介する「北海道セレクション」、大人向けの「ミッドナイト」まで、客層に応じた構成が組まれている。
メイン会場となるコンカリーニョは映画館ではないが、パートナー企業の協力によって今までにない上映環境が整えられた。エプソン販売の高解像度プロジェクター、株式会社プリズムの330インチ大型スクリーン、Blackmagic Designの4K対応映像データ再生機が持ち込まれ、もともと優れた音響設計を備える会場で、4Kデータによる上映が行われる。日本語作品には英語字幕が付き、海外からの来場者も作品を楽しめる仕掛けになっている。
短編映画は長編に比べて注目されにくいジャンルだが、世界的な映画人が審査に本気で向き合う構図や、地域の文化施設が最先端の映像環境を整える取り組みは、映像表現や体験設計に関心がある読者にとって見逃せない動きだろう。会期中の観覧に加え、11月13日から29日まではオンライン上映も予定されており、札幌に足を運べない人にも作品に触れる機会が用意されている。
第21回札幌国際短編映画祭
21st Sapporo International Short Film Festival & Market
SAPPOROショートフェスト2026/SAPPORO SHORT FEST 2026
会期:2026年10月23日(金)〜25日(日)
オンライン上映期間:2026年11月13日(金)〜29日(日)
メイン会場:生活支援型文化施設コンカリーニョ(札幌市西区八軒1条西1丁目 ザ・タワープレイス1F、JR琴似駅直結)
他会場:シアターキノ(札幌市中央区南3条西6丁目)、休日ビルヂング(札幌市南区定山渓温泉西3丁目)
授賞式:2026年10月23日(金)16:00〜(コンカリーニョ)
主催:NoMaps実行委員会
料金:1プログラム券(前売1,300円/当日1,500円)、1日券(前売3,000円/当日4,000円)、鉄人PASS(前売7,000円/当日8,000円)など
応募・選出作品数:世界94の国と地域から2,622作品が応募、28の国と地域・96作品がオフィシャルセレクションに選出
公式サイト
https://sapporoshortfest.jp/