BUSINESS | 2026/09/28

デザイナーだけの言葉ではなくなる日、AI時代の組織を動かす「共通言語」とは

千葉工業大学・ソニー・経産省が登壇するDesignship 2026共同セッションが10月11日開催

FINDERS編集部

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デザインの知見を、経営や人材育成の共通言語にする狙い

AIの活用やDXの推進によって、企業の意思決定や組織づくりのスピードがこれまでにないほど問われる時代になった。そこで再び注目されているのが、利用者や現場を起点に物事を設計する「人間中心デザイン(HCD)」という考え方である。デザイナーだけの専門技術ではなく、職種や部署の壁を越えて協働するための「共通言語」として捉え直す動きが、企業・行政・大学それぞれの現場で同時に広がりつつある。

一般社団法人人間中心社会共創機構(HCS共創機構)は、2026年10月11日(日)14:40〜15:20、東京ミッドタウンで開催されるデザインカンファレンス「Designship 2026」において、一般社団法人デザインシップとの共同セッション「変革を支える共通言語『人間中心デザイン』― 産官学で探るHCDの可能性 ―」を実施する。セッションには、千葉工業大学の安藤昌也氏、ソニー株式会社の高岡綾氏、経済産業省の山本光彦氏という、学術・企業・行政それぞれの立場からHCDに関わる3名が登壇し、これからの人材育成や組織変革にHCDがどのような役割を果たし得るのかを議論する。

背景にあるのは、経済産業省と情報処理推進機構(IPA)が2026年4月16日に公表した「デジタルスキル標準(DSS 2.0)」の存在である。DX人材に求められるスキルを体系化したこの国のフレームワークにおいて、デザインの考え方はデザイナーに限らず、すべてのビジネスパーソンが備えるべきスキルの一つとして位置づけられつつある。HCDが個別のサービス開発やユーザビリティ改善の手法にとどまらず、企業全体の変革や人材育成の土台として語られ始めているのは、こうした政策的な後押しとも無関係ではない。

HCS共創機構は、こうした考え方への理解を広げる場として「HCD基礎検定」も実施している。次回は2026年10月31日(土)に予定されており、受験申込はDesignship 2026の直後にあたる10月13日(火)まで受け付けている。セッション終了後には会場でも受験に関する相談を受け付けるといい、議論を聞いた上でそのまま次の一歩を確認できる導線がつくられている。

同様のテーマは、この秋に開催される他の大型カンファレンスにも広がっている。2026年10月15日(木)には幕張メッセの「CEATEC 2026」で、モビリティや生活空間の変革をテーマにしたセッションが予定され、2026年11月20日(金)にはパシフィコ横浜の「EdgeTech+ 2026」でもパネルディスカッションが組まれている。これらは経済産業省とIPAを中心に、HCS共創機構も協力してきた「デザインマネジメント人材育成に関するタスクフォース」の成果でもあり、防災やモビリティといった社会実装の現場と、人材育成のための政策、そして企業内での浸透施策が、同じタイミングで連動し始めていることがうかがえる。

デザインの力を経営や組織づくりに生かす発想は、もはやデザイナーだけの関心事ではない。AIやDXと向き合う機会が増えたビジネスパーソンにとって、Designship 2026の会場で語られる議論は、自分の仕事の進め方を見直す手がかりになるかもしれない。


セッション名:変革を支える共通言語『人間中心デザイン』― 産官学で探るHCDの可能性 ―
(開催イベント:Designship 2026)

日時:2026年10月11日(日) 14:40〜15:20
会場:東京ミッドタウン

イベント主催:一般社団法人デザインシップ

共同企画:一般社団法人デザインシップ、一般社団法人人間中心社会共創機構
登壇者:安藤昌也氏(千葉工業大学 先進工学部 知能メディア工学科 教授)、高岡綾氏(ソニー株式会社 共創戦略推進部門 UX戦略推進室 Principal Engineer)、山本光彦氏(経済産業省 商務情報政策局 情報経済課 デジタル人材政策室 調査官)


公式サイト
https://design-ship.jp/2026/